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2010年11月21日 (日)

リラの花(1)~2008.7.31の記事~

「リラの花」
作品21ー5
ラフマニノフ作曲


演奏時間わずか2分程のこの小品は、ラフマニノフの作品の中で最も美しいピアノ曲と言われています。今から20年近く前、エフゲニー・キーシンのピアノ・リサイタルで初めて聴き、そのあまりの美しさに胸が痛くなったことを覚えています。ベケートワの詩による歌曲をピアノソロ用に編曲したものですが、隅々までピアニスティックな美しさで溢れていると思います。私が特に美しいと思うのは、曲全体に漂う香りです。シンプルなイントロ部分は密やかに漂うリラの花の香りのみが感じられます。リラの花そのものはまだ見つけられていないのです。その微かな香りを頼りにリラの花を探しに行き、ついに見つけた時の喜びと圧倒される程の芳香がシンクロしながら、崇高さすら感じさせるクライマックスを経て、曲の最後の一音の余韻まで甘い香りは漂い続け、消えることはありません。

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