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2010年12月19日 (日)

痛みの音(1)~2008.8.15の記事~

J.S.バッハ:
平均律Ⅱ巻20番よりフーガ イ短調

今から10年前、J.D先生の公開レッスンを聴講させて頂いた時に、このフーガのテーマについて、興味深いお話がありました。

左手から始まるテーマは減7度を含み、聴く人に強烈な印象を与えます。D先生はそれを「怒り」と表現されていらっしゃいました。もしこのフーガを合唱として捉えたとしたら、次のような歌詞が相応しい。
「呪われよ!ユダとその息子達、7代にわたってその罪を償え」と…

ここで大切なのは、主要となるテーマがたった4つの音、E、C、F、Gisで出来ていること、そしてその4つ目のGis音が減7度下がっているということです。

音型には、その型そのものに意味がある場合と、歌詞を意識する場合とがあります(ここでは後者)バッハの時代にはテーマの転用は普通に行われていた為、ヘンデルのメサイア、モーツァルトのレクイエム(キリエ)にも、このテーマと全く同じような音型が出てきます。どちらにも合唱の歌詞がついているので、その歌詞を意識することによって、イエスを巡るドラマの内容が音型に乗り移り、そのフレーズの表情となるということでした。

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