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2011年4月 3日 (日)

二度目の味わい(2)~2008.9.6の記事~

私は恥ずかしながら知りませんでしたので、正直にそう言いました。するとその方は「bisは、ビスケットbiscuitのbisなんですって」「bisは2度、cuitはラテン語で焼くという意味。ビスケットが2度焼きされて、より香ばしく美味しくなるように、ここの繰り返しも2度目は1度目よりももっと味わい深くならなくちゃいけないんですよね」そう言って溜め息をついたのです。
私は本当にそうだと思い、心の中で唸ってしまいました。

「繰り返し」の部分にもよると思いますが、じっくりと染み入るように忠実に繰り返されるのも素敵ですし、二度目に変化を求める演奏者自身の気持ちに添うのも、また良いものです。

その時弾かれていた繰り返しは、第2楽章の冒頭の僅か8小節の短いもので、1楽章の躍動的な終結の後、その場を清めるような美しさがあり、あまりにも短いので、もう一度聴きたいと聴衆が、そして何より演奏者自身が欲するところではないかと思い、そう申し上げました。

今もあの方はピアノを弾かれているでしょうか。レッスンの時はいつも姿勢を正す思いでした。懐かしい思い出です。

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