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2011年5月31日 (火)

忘れ去られたキャンディー(1)

あれ?そのキャンディーどうしたの?だいぶ前のみたいじゃない。包み紙が張り付いちゃって、綺麗に剥がれないね。ずっと前のお出掛け用に、ママがポシェットに入れてあげたものじゃなかったかしら。

人間に忘れられて、放っておかれたキャンディーには、目に見えないくらい小さい虫がコッソリ寄ってくるんだって。包み紙に、やっと通れるくらいの穴を空けて(もちろん人間の目には見えない小さい穴よ)少しずつ少しずつ食べ進んで、キャンディーの真ん中まで辿り着いたら、そこを巣にして過ごすんだって。毎日毎日周りのキャンディーを食べて生きていて、食べた分だけ大きくなって、その巣の中で身動き取れないくらい太ってしまうそうなの。キャンディーばかり食べて育つから、体の色もキャンディーそっくりで、甘い匂いがして、舐めても甘いんだって。

形はゴキブリに似ているらしいんだけど、ずっと動かずに過ごしているから、ゴキブリのように素早く走ることも飛ぶことも出来ないの。ただキャンディーの中でジ~ッとして、口だけ動かして甘い壁を食べ続けてる。

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