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2011年5月31日 (火)

レチタティーヴォとアリア(5)

アリア部分は特に、呼吸も重要です。歌手は声がなくてはなりません…とJ.D先生は仰っていました。フレージングを、声楽の呼吸のように意識しなくてはならないのです。特に大切で、注意しなくてはならないのが、弱音で低音のフレージングの締めくくり、そしてその後の呼吸です。長い呼吸で大切に歌われるアリアは24小節目のAsで終わります。コントラバスを思わせるオクターヴへはペダルも指も絶対に繋げてはいけません。演奏者自身はもちろんのこと、聴衆にもその終息は感じられ、受難を物語ってきたアリアから低音の弦楽へと移り変わる様子が、まざまざとその音楽に示されていることがわかるからです。一つの場面が終わり、劇の幕が降り、新たな物語へと移行する前の暗転のように静かでありながら、全く違う性質を見せるであろう音楽への期待をも滲ませる、美しいオクターヴのレガート…それは重要な間があってこそ、より際立つのです。

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