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2011年7月19日 (火)

声質と演技力(3)~2008.11.18の記事~

ミミの心で歌うのではあっても、剥き出しの感情ではなく、オペラという芸術作品の一部としての、美しくデフォルメされたものであるべきです。また、そうしてこそ、ミミという心も姿も美しい女性のキャラクターが生きてくるのです。プッチーニ特有の、メロディーというよりも、エヴァンゲリストのような語り口の部分は特に、演技を意識し過ぎると、ミミの清潔さが失われてしまうような気がします。このアリアはミミの性格そのものなのです…その優しく柔らかいメロディーは、歌詞との連動も素晴らしく、春の雪解けと太陽の暖かさの感動を語るところでクライマックスを迎えます。

「il primo bacio dell′aprile e mio!(4月の最初の接吻が私のものなのよ!)」

厳しい冬の後の春の喜び・太陽の暖かさ・生命の息吹きが、オーケストラと共に輝きを増して表現され、春を待ち焦がれる思いに、私達も強く共感するのです。

(声質と演技力4に続きます)

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