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2011年8月 6日 (土)

歌の力~2008.11.16の記事~

「歌の力」
サルマン・ラシュディ


歌の力というのは、いったいどこにあるのだろう?多分それは、この世に歌う行為が存在するという、まったくもって奇妙なことに由来している…

人間は指の届く範囲で、音と音の間隔を魔法のように組み合わせ、数少ない音からなる群れを見つけてきたのであり、そこから、音の大聖堂を造り出すことが出来たのだ
それは、数字やワインや愛と同じくらい不思議な錬金術である…

歌は、我々の憧れにふさわしい世界を描き出し、我々自身が願う姿を示してくれる
あたかも我々がその世界を生きるに値するかのように

五つの神秘が、目の見えないものに対する鍵を握っている
つまり、愛するという行為、赤ん坊の誕生、偉大な芸術をめぐる黙想、死や災難との直面、そして人間の歌声を聴くことという神秘だ

これらは世界にかけられた錠がぱっと開くきっかけとなり、その時我々は隠されていたものを垣間見る…

地震の持つ驚くべき暗黒の力
新しい生活の不思議な危うさ
歌うことの輝き…を感じ取った時、大いなる栄光が、突如我々にもたらされるのだ

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