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2011年8月 6日 (土)

永遠のソナタ~2008.11.22の記事~

「無題」
オシップ・マンデリシュターム


昔、アレクサンドル・ゲルツォーヴィチというユダヤ人の音楽家がいて
シューベルトを弾いていた
澄んだダイヤを愛でるように
思う存分、朝から晩まで
擦り切れてしまいそうなほど
一曲の永遠のソナタを
譜面もなしに弾き続けた…

おい、アレクサンドル・ゲルツォーヴィチよ
通りは暗いだろう?
諦めなさい、心優しいアレクサンドルよ
何をやっても無駄なのだから

あのイタリア人の女の子を
雪のザクザクしているうちに
そりに乗せて飛ばしておやり
シューベルトの飛びゆく彼方に

いとしい音楽のある限り
我らは死など怖くない
向こうには、からすのような外套が
フックにかかっているけれど…

アレクサンドル・ゲルツォーヴィチよ
前から決まっているのだから
おやめなさい、スケルツォを弾くアレクサンドルよ
何をやっても無駄なのだから

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