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2013年4月24日 (水)

南太平洋~2009.3.22の記事~

幼少期の数少ない記憶の中に、2枚のLPの思い出があります。幼稚園から帰ると毎日のように、サウンドオブミュージックか南太平洋のアルバムを聴いていました。ロッキングチェアに腰掛け、揺られながら聴くのが大好きで、そのまま眠ってしまうこともありました。LPもロッキングチェアも、母が父と結婚する時に実家から持ってきたもので、その頃の私のお気に入りでした。段々と字が読めるようになってからは、LPの写真を眺めながらあらすじを読むようになり、完全には理解出来ないながらも、美しい音楽はその物語と共に、私の心に刷り込まれていきました。

中でも心惹かれた曲は「魅惑の宵」と「春よりも若く」の2曲でした。柔らかく美しい旋律、甘くとろけるような声、うっとりするようなポルタメント・・・子供心に「何て素敵なんだろう」と聴き惚れていました。

毎日欠かさず聴いていたそのLPもいつしか聴かなくなり、忘れ去っていた思春期の頃、初めて映画を観ました。美しい音楽は昔の記憶のままでしたが、2組のカップルのどちらにも、戦争と人種差別の意識が影を落としているということを知りました。

主役のエミールとネリーよりも、中尉とリアットのカップルのほうが、私は好感が持てました。若さと純粋さがとても美しく感じられたのです。

主役以上に魅力を感じる場合というのは他にもありました。私の愛読書の一つ、トルストイの「アンナ・カレーニナ」でも、アンナとヴロンスキーより、キチィとリョービンのほうが好ましく思えるのです。同性として、アンナのことはあまり好きになれません。ネリーもまた同様です。リアットのことは見守りたい気持ちになるのですが・・・

「アンナ・カレーニナ」と「南太平洋」の両方を御覧になって、私と同じ感想を持たれた方がいらっしゃるでしょうか。

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