« 「夜のガスパール」より”水の精” | トップページ | 「夜のガスパール」より”スカルボ” »

2013年4月11日 (木)

「夜のガスパール」より”絞首台”

~アロイジウス・ベルトランによる3つの詩~

2.LE GIBET 絞首台

ああ!私に聞こえるもの

あれはひゅうひゅう鳴る夜の北風か

それとも絞首台の枝木の上で吐息をもらす死人か

あれは、森が憐れんで足元に養っている苔と

実らぬ蔦の中に、うずくまって歌うこおろぎか

獲物をあさる蠅が

もう聞こえぬその耳の周りで

合図のファンファーレの角笛を吹いているのか

不規則に飛び回って

彼の禿げた頭蓋骨から

血のしたたる髪の毛をむしっているこがね虫か

それとも、絞められたその首にネクタイをしようと

半端のモスリンに刺繍をしている蜘蛛か

あれは、地平線の陰の町の城壁で鳴る鐘の音

そして、沈む夕日が真っ赤に染める絞首刑囚のむくろ

|

« 「夜のガスパール」より”水の精” | トップページ | 「夜のガスパール」より”スカルボ” »

詩、言葉」カテゴリの記事