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2013年11月 7日 (木)

音楽の背景に(3)

J.D先生は、ラテン語で歌いながら弾いて下さいました。その演奏は、もしその部分の言葉(歌詞)を、宗教的背景を、意識しなかったらどう音楽が変わるのか・・・等と考える余地すらない、圧倒的な迫力と説得力に満ちていました。テーマの4音を聴いただけで、大地のとてつもない怒りが、バリバリと世界を飲み込んでいくような恐ろしさを感じました。減7度下のGis音は、肌を切り裂くような鋭さと、下腹部に響くような重厚さを併せ持ち、受難の痛み、苦しみそのもののように、私の胸を打ちました。

もし私がたった一度でもあのように演奏することが出来たら、どんなに良かったでしょう。その生徒さんもきっと、講座の素晴らしい内容と共に、心から納得して下さったに違いありません。

残念ながらそう出来ない私は、正直にお話しする他ありませんでした。模範演奏をお聴かせすることが出来ないことを詫びるとその方は「いえ、お話し頂いただけで、世界が広がりました」と仰って下さいました。

音楽の奥深い背景やイメージを説明されたあと「このように」とその言葉通りに演奏することが出来るというのは、何と素晴らしいことだろう・・・と、改めて思いました。

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